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1月

カンボジアの政府行政学校では、去年からカンダール州2地区の小学校を対象に教育現場向上のプロジェクトを行っています。教育者はシェムリアップ州のモデル校を視察し、そこで得た教育システムやアイデアを自分の学校に応用し発展を図るというものです。

 

その一環として、今回は2校を訪問し、より実用的な問題解決の為の話合いを持ちました。例えば財政難など現実的な課題は、理想的な教育方法を知っただけでは解決できず、発展が困難な学校がたくさんあるのです。

 

プノンペンからフェリーで川を渡りカンダールに入ります。Hun Sen Prek Takov 小学校 と Bun Rany Hun Sen Prek Tameak 小学校を訪問しましたが、どちらも子供達が列を作り迎えてくれました。客人を学校に招く時はこのようにするようです。

 

先生方との会談が終わると、教育省顧問が子供達に礼式の指導をされました。整列や号令をただ形式的にするのではなく、子供達が集中してできるように助言されました。

 

教師1人1人が教育者である事の使命を再確認し、児童の家族や社会からの信頼を積み重ねていけるよう、一丸となって取り組んで欲しいと思います。

 

 

2月

カンダール州のLvea Aem区を訪問しました。

今回は学校ごとに訪問するのではなく、その区内全学区の教育者、地方自治体、僧侶の皆さんに1つの場所に集まって頂く形で前回より大規模な集会となりました。教育現場の現実的な課題解決の模索の為です。

僧侶もお招きしたのは…仏教国のカンボジアでは僧侶は地域において重要な存在です。また学びが寺院において始まった事から、今でも寺院の敷地内に小学校が建っている事は多く、学校と寺院の関係は切り離せないのです。

僧侶が来られると皆起立してお迎えします。地面に直接ではなく、敷物を敷いて椅子を用意します。

 

 

午前中はSarika Keo小学校にて、

 

 

午後はTeuk Klang 高校にてプログラムを行いました。高校と言っても高校の先生方が参加されるわけではなく、大勢が集まるのに適しているので利用させて頂きました。

 

各学区代表者から報告を聞き、こちらからも実用的な教育方法や、児童の家庭と協力していく事、地域からの信頼を確立する事などの提案をしました。学区内の機関同士で協力的な関係が築かれる様も見られ、今後の発展に期待したいです。

 

帰路に就いたのは夕方ですが、帰り道から一番近いフェリー乗り場はすでに営業を終了していました。

夕暮れのプノンペンの町、川を渡り終える頃は夜景が綺麗になっていました。

 

4月 (1)

カンボジアを含むメコン川流域の4国は毎年、4月に独自のお正月を迎えます。お正月に合わせ、里子達を訪問しました。乾季に入りメコン川の水は随分引いていました。

 

 

カンボジアには年中行事の折りに挨拶を送る習慣はないようです。支援して下さる里親さんの日本やアメリカではそのような習慣がある事を紹介し、新年のカード作りをしました。

 

農村地区では徳に、工作をする機会などはほとんどありません。説明を聞き見本を見ても、どのように折り、切り貼りするのか難しそうでした。ここを本当にこう切っていいのかな?これであってるのかな?と試行錯誤しながら、しかし1つ1つの作業を楽しみながら作り上げていました。折り紙の花が飛び出すカードで、対称図形や平面を立体にする概念も盛り込んであります。学びがたくさん提供できたプログラムになったと思います。

 

 

どの色の花をどこに配置するか、ハート型はどのように散らせるか、子供達がそれぞれ自分で考えました。年齢の高い子は積極的に色鉛筆も使い表紙をデザインしており、前回の描画と同様、個性が垣間見られる作品になっています。

 

5月

今年は渡航におけるコロナ規制が緩和されてきた事もあり、長年カンボジアの健康問題改善に取り組んで下さっている医師先生が日本から来て下さいました。

2年間静かでものものしかった空港は旅行者や出迎えの人たちで活気が戻ってきていました。

 

 

乾季でメコン川の水は先月より更に引き、島は砂浜が広がっていました。竹網を敷いた道を通って、人々はフェリーまで行き来します。

村々を回って対象のヨード不足患者さんの診察をします。現時点では、昆布ダシを日常摂って頂く事でその患者さんや毎日一緒に食事をするご家族のヨード値の安定を図っています。しかしやはり島として海産物を得る機会が乏しい為、新規の患者さんも数人いらっしゃいました。

 

 

今回は糖尿病患者さんのご協力で、24時間の血糖値の推移をモニターする事ができました。これにより、正確な治療の助言を提供する事ができました。特に糖尿病と診断されていない健康な方も対照被験者としてモニターさせて頂いてます。

 

 

今回の活動ではパームシュガーの農場見学もしました。糖尿病の方やエナジードリンク問題に対処していく方法模索の為です。カンボジアはパーム椰子やココナッツ、それらから取れる砂糖やオイルなど、健康な食材をすでに持っています。これらをもっと普及させていけると希望です。

 

6月

今回、これまで活動した事の無い新しい地域を訪れ、そこの子供達と絵を描くプログラムをしました。

絵のテーマは世界の平和。本来私達が望むのは和やかな社会、そんな世界だという事を改めて伝え、幸せや平和とは自分にとってどういうものなのか考えてもらいました。どんな時に、何をしている時に幸せを感じるのか、それはどんな色で表されるのか、などイメージを膨らませてもらいます。

最初はKou Loab小学校で、

 

 

次にAnh Chanh小学校で。

どちらも、先生方が非常に協力的にプログラムを進めて下さいました。

 

想像して描くのは苦手な子が多いのですが、それでも大多数、積極的に考えたり色を塗ったりする事を楽しんでくれていました。カンボジアの外の国、知らない世界まで思いを馳せながら、そして願いを込めながら、可愛らしい絵がたくさんできました。

 

8月

Kratieの里子訪問です。

 

雨季に入り、メコン川はまた違う様相を見せていました。春から数メートル川嵩は上昇し、フェリー乗り場の砂地はもうありません。

 

私達はいつも、支援金を渡すと同時に、子供達の国語力や表現力、創造力を培う事のできる活動を取り入れています。今回は描写や創造を伸ばす練習として言語ゲームを3つ行いました。

1つ目は、学年別チーム対抗で物の名前を当てるゲームです。一方のチームは、ある物について、少しずつ描写・説明していきます。相手のチームはそのヒントたちから 何が描写されているかを当てます。特定の個人だけに発言が偏らないように、1人1ヒントずつ出せるように心がけてもらいました。

 

 

2つ目は単語群のカードから複数のカードを引き、その語彙をすべて含めた文章、または文を作るゲームです。形容詞や擬音語、現地で見られない動物などの名前もたくさん含めた語彙群を用意しました。子供達はこんな言葉でどんな文章が作れるのか?!と最初は途方に暮れていましたが、現実では起こらないような文章に互いに笑い合い、楽しんでくれたようです。

 

その後、作った文章・文の中から1つを選び、その様子を絵に描いてもらいました。これは3番目のゲームの下準備です。

 

 

皆が絵を描き終わると、再度チームを作って、チームメンバーの絵を交換し合います。各チームは、背景の全く分からない絵を数枚持っている状態です。それを組み合わせ、全く新しい物語を作ってもらいました。

ここでも子供達は皆最初「え~~~!?」と困惑していましたが、最終的にチーム内の皆でアイデアを出し合って、どのチームも楽しいストーリーを作り上げていました。

 

 

これらのプログラムは子供達には初めてで、やはり最初は難しそうでした。しかし困惑しつつも頑張って取り組んでくれました。これまで大人しかった子も積極的に参加してくれ、全体的に笑いの多い時間となりました。文やストーリーを創造する楽しさも味わってもらえたかと思います。

 

11月 (1)

日本とアメリカからの医療団と共に医療奉仕を行いました。この地域では、無償治療や薬の配布のほか、ヨード不足による甲状腺疾患、高血圧、糖尿病について改善する取り組みを進めています。

 

医療奉仕に先立ち、ボランティアとして医療団を支えてくれるスタッフと打ち合わせをします。現場では皆非常に積極的に立ち回ってくれ、とても助かりました。

 

今回は特に地域の看護師さん達には今回血糖検査や尿検査の仕方を共有し、今後地域で糖尿病感謝さんの早期発見とケアに役立ててもらえるようにしました。


疲労や頭痛といった主訴がよく聞かれ、栄養不足に起因するものがあるかも知れません。改善の為に提案できる事を模索するつもりです。また農作業労働に起因すると思われる整形外科系の訴えも多かったです。

ところで患者さんを誘導、案内には、地域の中高生が協力してくれ、交流を深めながら活動する事ができました。

11月 (2)

夏に子供のアートコンテストに参加協力してくれた小学校を回り、授賞式を行いました。24か国から参加があったそのコンテストで、カンボジアからは5人が入選しました。

しかし私達は直に子供達とプログラムを行い、たくさんの子達が予めアイデアを固め、下書きなどして準備していたのを知っています。またその色使いから、本当に楽しんで絵を描いてくれた子がもっといる事を知っています。ですから、国内での授賞式として、よりたくさんの子供達の努力や感性を公に認める場にしたいと思い、実施しました。

 

平和や幸福というテーマを表現する発想自体はシンプルな作品が多かったです。しかし皆でもう一度、社会に争いが無く平和である為にどのように行動すべきか、考える機会にしました。

 

賞品はコンテスト主催者からは (2名分だけ) 大きなアートセットが届きました。国内においては学校で使える通学用バッグなど学用品を準備しました。