2月 クラチェ州での道徳・衛生教育

スカウト活動をして畑で地域奉仕をし、自分達で手洗いを実践して子供達への教え方を想定してから、小学校を訪問し子供尾たちと共に実践してもらいました。

 

 

3月

クラチェ州のスカウト学生達と同州にあるTa Lus (タ・ルッ)小学校の屋根の雨漏りとトイレの改装を行いました。

トイレは老朽化している上、配管機能も壊れており使用不能になっていました。衛生的なトイレと、また習慣的に手洗いができる水道を提供する為、刷新工事をサポートしました。

 

 

また、先月の衛生実習に参加できなかった児童対象に、スカウト達が率先して礼節と手洗い指導を行いました。

 

 

4月

カンボジアのお正月は4月です。今回はお正月休暇の中日にプレイベン州で衛生実習と道徳セミナーを行いました。学校が閉まっているため、近くの家屋をお借りして教室を作り、Prey Khla (プレィ・クラ)小学校の先生と児童が集まってくれました。

 

 プログラム当日

代表の先生方からまずご挨拶を頂きました。このようなプログラムは初めてで、楽しみにして来て下さったとの事。 児童達も歌を披露してくれました。

 

 

カンボジアの公立学校では、倫理やモラルを考える授業はありません。私たちは道徳セミナーを通し、先生方に対して、学校生活の中でこのように子供たちに考えさせてはどうか、というアドバイスをしています。

子供たちに対しても、家庭や世界の問題の不和はどこからやってくるのでしょうか? どうして争うのでしょうか? 自分自身を成長させるには、どうした良いと思いますか? と一緒に考えながら進めます。

 

 

セミナーの後は、子供達を対象に手洗いと歯磨き指導をしました。

貧しい地域では手洗いも歯磨きも習慣にはなっていません。大抵の子供は虫歯を持っていますし、歯周病などで早くから歯を無くすケースが一般的です。

 

インタビュー。いつも歯を磨いてますか?

 

みんなも一緒にやってみましょう。子供達に歯ブラシと歯磨き粉を配ります。

歯ブラシを持っていない子は圧倒的に多いです。 

 

歯磨きの実演を立候補する男の子
歯磨きの実演を立候補する男の子

 

その後は先生方にお手伝いしてもらい、手洗い実習をしました。

基本的には水洗い。理想的には石鹸を使い、最後は手を拭く事が好ましいです。歯ブラシ同様、石鹸を持っている家屋もあまり多くありません。

 

 

カンボジア正月なので、お正月プレゼントの抽選会を挟んでから、昨晩から村のお母さん方が共同で作ってくれたランチを皆で頂いて終了しました。

 

 

6月

Kraches Krong (クエアチェス・クロン)高校において、道徳・人格教育を講義形式で行い、モラル観念や社会のあり方について理解を深めました。今回の人格教育のクラスでは、教育省が発行する礼節についての書籍から重要な部分をピックアップし、生徒に配って一緒に確認していきました。

 

その後は奉仕活動として、皆で町のクリーニング活動を行いました。

 

 

翌日は道徳と衛生指導の為、Koleavb (コレブ)小学校に赴きました。Kraches Krongのスカウト学生達がアシスタントとして同伴してくれます。

 

まずは教室内で衛生的な生活について学習します。手洗い歯磨きの仕方やなぜ必要なのか、はもちろん、普段の食事の仕方も大切です。遊びに出て、又は畑に手伝いに行って、その場で川や池の水を飲まない事。そのような基本的な事から指導してあげなければなりません。家庭では煮沸した水を飲む事。外出する時は、その水を持って出る事。1日以上置かない事。写真のペットボトルは、子供達が以上のような生活ができるように支給しました。

 

 

その後校庭に出て、衛生実習をしました。

まずはスカウトがお手本を見せ、それから一人一人やってみます。

 

 

子供たちへお菓子のプレゼント。手を洗ってから食べる事を楽しく学びます。その際、礼節についても、どのような挨拶の仕方が正しいか復習しました。

 

 

8月

メコン川にはクラチェ州に属するいくつかの島がありますが、今回はその一つ、Koh Trung (コッ・トゥルン) 島のKoh Trung小学校を訪問しました。ボートで移動します。

 

 

目で見て分かり易いよう、手の汚れや手洗いの順序をポスターにして示しました。子供たちの集中力が切れないよう、ゲームや質問などを交えて記憶に残る学習を心がけます。いつもはボーイ・ガールスカウトの高校生が児童に教えるのですが、スカウトの先生も率先して指導してくれました。

 

 

子供達にはいつも小さなお菓子を用意していますが、今回は州政府から、牛乳やミロなど、カルシウム飲料が用意できないか との依頼がありました。子供達の栄養・健康状態が懸念されているようです。

 

 

9月

Kraches Krong (クラチェス・クロン) 高校での道徳学習には今回、地区長さんも呼び、教育の様子を見て頂きました。

 

その後はメコン川に浮かぶクラチェ州のまた別の島、Koh Chreang (コ・チュリァン)島の小学校を訪問しました。Koh Chreang小学校では75名の児童と共に、衛生教育は子供だけでなく父兄も一緒にその内容を知るべき、という州政府の提案に対して、今回17名の児童の母親も参加して頂きました。

 

 

ここでも手洗い、歯磨き、礼節についての学習をしました。

まずはスカウトのボランティア高校生がお手本を示してくれます。

 

 

ひとりひとり、やってみます。

初めての衛生課外授業で、皆好奇心いっぱいで臨んでくれました。

 

 

そして歯磨き、礼節の復習をしました。

今回も、子供達には栄養価の豊富なジュースを選んで贈りました。

 

 

12月

2012年最後の活動は晦日と大晦日、12月30日~31日に行いました。

カンボジアはお正月を4月に祝うので、年の瀬で忙しいという雰囲気は全くありません。

 

前回は、Koh Chreang (コ・チュリアン) 島のコ・チュリアン中央小学校を訪問しましたが、この島にはコ・チュリアン前、中央、後という3つの小学校があります。

今回は3つ全ての小学校からの児童を対象に衛生指導を行いました。

 

ボートで渡ります。

 

 

ボーイガールスカウトや赤十字の高校生達がアシスタントで手伝ってくれます。

子供達を20~30人の小グループにわけ、高校生達は間に入って教えて回ってもらうようにし、できるだけ一人ひとりに指導が行き届くようにしました。

 

 

プロジェクトを続けて、子供達は、普段の生活の中でより衛生的な判断ができるようになってきました。この水は安全か、いつどのように手洗い、歯磨きををすべきか、など。

 

継続して教えてあげなければ、それらを習慣化する事はまだまだ難しいですが、歯磨きに関しては、毎食後でなかったとしても、子供達は歯ブラシがある限り続ける事を学んでいるようです。

 

歯ブラシを実際配布した児童の半数は歯磨きをするようになりました。歯磨き粉と歯ブラシを一緒に受け取った児童は、約8割が歯磨きを続けていました。児童自身が、(続けた結果)子供達が歯ブラシが傷んでしまった、歯磨き粉が無くなってしまった、と先生に訴えて来るのです。

 

しかし、大きな課題として、多くの家庭では食材や生活に直接関わる物品がどうしても優先される為、道具が無くなってしまうと、新たに購入する家庭は極々少数のようです。今後は、保護者も大いに巻き込んで指導を共有できれば非常に望ましいでしょう。