4月

クメール正月が近づき、私達はお正月のプレゼントを持って里子を訪問しました。

子供達の住む地域では田を耕す作業が始まっている場所もありました。

 

国語のプログラムもいつも通り行います。

今回は小学生の子供達には読み聞かせを、中学以上の子供達には、発想を駆使して文章を作るゲームを行いました。

 

 

普段はあまり本に接する機会の無い子供達です。色んなストーリーに触れて、登場人物の心を感じたり想像した事のない世界に浸ったり、たくさん疑似体験をして欲しいと思います。

読んだ後はあらすじを確認したり、感想を聞いたりしました。

 

 

文章ゲームでは、名詞、動詞、副詞、形容詞、また擬音語なども含んだ言葉のカード群から2枚自由に引き、引いた言葉を使って文章を作ってみる、というゲームです。一見全くつながりの無いような言葉から、どんな文章ができるでしょうか。

 

 

その後、読み語られた本や、自分の創作した文章について簡単な作文を書いてもらいました。少しずつでも書く習慣をつけて欲しいからです。作文が苦手な子は多いでしょうから、楽しい作業にする為に色ペンも用意しました。絵が好きな子などは絵で描写しながら、またカラフルに用紙を彩りながら書いてもらえば楽しい時間になると考えたのです。

 

 

5月 初旬

日本の医療チームが島のヨード不足改善の為に甲状腺異常の患者さんの定期健診に来て下さいました。乾季でメコン川の水はかなり引いていました。

 

 

医療チームがして下さる健診や生活指導はゆくゆくは島の看護師さんに受け継いでもらわなければなりません。医療チームと活動する中で、島住人の健康状態を把握したり、指導する為の様々な知識を習得してもらえればと考えています。

 

今回島看護師さんには患者さんを村と名前ごとに整理する事を提案し、またヨードの摂取の仕方を患者さんに説明する作業を手伝って頂きました。

 

 

島の土地がヨードを含んでいない為、島のものしか食べない人はどうしてもヨード不足に陥りやすいようです。つまりヨード不足は個々人の問題ではなく、改善策は島全体で取り組んでいく内容だと考えられます。島の委員会会員の皆さんや村長さん達にも意識喚起を図る為、海藻スープを作り一緒に食べて話し合いました。

 

 

日本から看護師さんも来て下さってたので、衛生指導を兼ねて子供達と石鹸作りをしました。

溶かして簡単に作れるMPソープを使いましたが、日本のように電子レンジなどが無いので湯煎です。バナナの葉で蓋をして、すだれで風を避けて…。

 

自分達で庭先や道端から集めてきた花を押し花にし、自分だけの石鹸を作ります。花びらの入った透明な石鹸に皆大喜びでした。最後は作った石鹸で手を洗います。

 

5月 下旬

BBEはプレイベン州のPeam Ro小学校において、読み聞かせ及び発育測定のプログラムを行いました。

 

カンボジアでは伝説などの昔話が絵本になっている事が多いですが、色々なジャンルの物語に触れる機会はあればあるほど子供達には有益だと思います。メッセージ性がある事が必須ではなく、物語の世界を疑似体験してもらう事に重きを置いています。

 

今回紹介したのは「にじいろのさかな (マーカス・フィスター)」「スイミー (レオ・レオニ)」「おてがみ (アーノルド・ローベル)」「はるがきた (アーノルド・ローベル)」「アリとハト (イソップ)」「ライオンとネズミ (イソップ)」です。

 

子供達を小グループに分け、物語を読みました。読んだ後は感想を聞きます。冬眠って何だろう (はるがきたより)、ネズミとライオンなら、どちらが好きか? というような質問も投げかけてみます。

 

 

その後グループごとにあらすじをまとめてもらい、また物語のポスターを描いてもらいました。それをクラスの皆に発表します。クラスの中でその物語を読んでいない子にも全員に、物語の概要を紹介するつもりで発表してもらいます。描写したりまとめる練習としてですが、知らない本について、聴いている側が「面白そうだな、自分も読んでみたいな」と思うくらいまとめられたら更に素晴らしいですね。

 

 

 

発育測定は、身長、体重、視力や、かなかな専門の先生の協力が得られなければ難しいですができれば 歯科や聴力も、定期的に健診し記録を取っていく事が、子供達の健やかな成長を見定める上で大切である事を学校に提案する形で、実践してみました。

今回Peam Roでは初めての測定だった為、栄養状態などを把握する為に上腕周囲の測定と普段の食生活についてのアンケート調査も行いました。データ集計後、顕著な発見があれば学校側に提示する意向です。

 

7月

日本から団体の皆さんがカンボジア体験と文化交流の為カンボジアに来られました。せっかくの機会なので文化交流を通し現地の子供達にも新しい事が学べる有意義な機会にできるような企画を考えました。ちょうど7月という事で七夕文化を一緒に楽しむ事にしました。

 

タケオ州の、ベトナム国境に近い地域の小学校で、まず七夕の紙芝居で文化の起源を紹介します。その知識が重要なのではなく、新しいお話に触れる、という事が子供達には意味のある事なのです。

 

七夕飾り作りでも大いに切ったり貼ったりする体験ができました。

 

 

もう1つはうちわ作りです。和紙を山折り谷折りして、グループごとに自分たちで絵具を混ぜ合わせて色を作り、乾いたら骨の型に合わせて和紙を切り、骨に貼ります。染め作業は楽しくできました。

 

 

線に沿って切る、という作業1つにしても普段ハサミを使わない子たちには刺激の多い体験でした。

 

8月

小学校訪問の後、奉仕団体の皆さんはタケオ州の中学校で生活の知恵に役立つスキルを生徒達にシェアして下さいました。

ロープとロープ、ロープとほかの物など数種類の結び方を学び、

 

またその場にあるものでできる捻挫や止血の処置の仕方も学び、練習しました。

 

 

9月

日本でも台風の影響が強い中、カンボジアでも集中豪雨の為特に北の州では冠水被害が出ています。

それらすべての地域で適切な支援が必要になっていますが、私達はまずメコン川に沈みそうなクラチェの島へ救援に向かいました。

島の地区長さん村長さんらと共に、飲料水や衣類などの物資を届けて回りました。

 

 

数年前、このクラチェ州が大洪水になった際、私達はその洪水のせいで活動を見送る事しかできませんでした。今、私達は被害で苦しむ人を助けに行く事ができます。皆様のご支援に心より感謝致します。

 

11月

日本の医療チームと、カンボジアの医学生そして若い医師達の協力を得てクラチェ州の2地区で医療奉仕を行いました。

 

活動前にまず現地医師、医学生と打ち合わせを行います。

Koh Chrengでは2日間、外来患者さんの為の無償診療のほか、全小学生の発育測定をしました。病気の予防と健康管理の為に定期的に記録を取っていく事になります。また子供達150人の歯科治療を行いました。

 

 

Thmar Kreaでも地域保健所と協力して地域住民の方々に最大限の治療を提供しました。

 

 

12月

日本から国語の先生が来られNeak Loeungの小学校で図書の授業されました。読書や読み聞かせの利点は広くよく知られていますが、どのように子供達が本を読む事を『楽しめるか』、という観点を紹介して下さいました。

 

 

また子供達に「感じた事を表現する」という事にも慣れて欲しいので、聞いた絵本の内容を文章や絵にしてもらう時間もとりました。「感想を書く」といきなり言ってもどう書き出して良いか分からないものです。ストーリーの中で好きな動物は何か質問するなど ストーリーを掘り下げていくヒントを提示したり、低学年ならばその動物の名前をどう書くのかも一緒に確認しながら進めました。

 

 

時間があったので、言葉遊びもしました。子供達はゲームが大好き。ゲームで物を描写する練習をしました。

ちなみに、読み聞かせの中であらすじを確認したりする際には、ゲーム感覚にしてはいけないそうです。本から感じた事を深める事につながらず、面白かったという印象しか残らないそうです。