2月

カンボジアの公立学校では、体育や芸術など、例え教育省が決定し、授業のカリキュラム自体は存在していても、予算や教員、教材の不足などで実施されていない事が多くあります。

 

それで、今回は私達ブルーバードの道徳・衛生教育に乗じて、これまで教えられなかったそのような学科の授業を行ってもらうという企画を立てました。

 

Kraches Krong (クラチェスクロン) 中央小学校では体育の為の道具はありますが、教えられる先生がいませんでした。それで州教育局の職員が先生に教えてもらい、それをもとに先生から児童に指導できるようにしました。

 

Hunsen Kraches Krong (フンセン・クラチェスクロン) 小学校では裁縫が教えられていませんでした。その為ブルーバードが教材を提供し、授業をもってもらいました。

 

 

本来学ぶ権利を有しながらもその機会が無かった子供達に、より広い学びの機会を与えてあげられるよう、このような企画をもっと取り得れていきたいと思います。

 

 

3月

経営経済大学にて、123名の大学生を対象に道徳講演会を開催しました。

クラチェ教育局局長の司会のもと、クラチェ州副知事、青年連合事務局長、スカウト国際トレーナーからモラルのあり方や青年の社会における役割などについて講演して頂きました。

 

経営経済大学学長の挨拶

 

副知事は特に、現代、科学のめざましい発展の一方モラル観が低下している実態や、仁義より知識技術が重視されている事、個々人の心に善悪の基準や平和が確立していない故に、そのような心の葛藤が家族や社会に表れ戦争を導いている事などに触れ、倫理的人格を育む重要性・必要性を強調されました。

 

 

 

一方、メコン川に浮かぶコ・チュレィン島のコ・チュレィン中学校では、上議院議員を招いて社会における道徳の講演をして頂きました。

また、歯磨きなど口腔内衛生の冊子をつくり、生徒に配布しました。

 

 

4月

カンボジアでは昨年、クリーンでグリーンな都市を目指そうという国家プロジェクトが観光省で可決され、プノンペンを除く国内のそれぞれの町において、2014年までにどこが最も清潔で美しく、また緑豊かな町になるかを競いあう試みがなされています。

それでBBEは今回、活動地のクラチェ州のクラチェタウンにおいて、町をあげての清掃活動を企画しました。

 

町全体をグループに分かれて清掃します。学生達はそれぞれに分担されたエリアを道順にそって行進し、町役場や教育局などの官公庁はその施設周辺を整備清掃しました。

 

 

警察からは消防隊も出動し、普段手が行き届いていない場所を洗い流すなどの協力を得ました。

 

 

州知事自らも参加され、また一般市民の方々も呼びかけに賛同して活動に加わって下さり、あらゆる人々が一斉に自分の町を省み、その町の為に尽くす1日となりました。

 

生活するだけで精一杯の人々はまだまだ多く、ゴミの処理法やポイ捨てをしないマナーなどは、関心の届きにくい分野かも知れませんが、国際社会の中の一国として発展していくカンボジアが伺えます。

 

 

5月

経営経済大学にて、高校・大学生を対象に、高桑理事によるエイズと性モラルの講演会をもちました。大学生だけでなく、周辺のクラチェス・クロン高校やコ・スミァ高校、また先生方にも呼びかけ、200数名の参加を得ました。

 

 

性モラルを守る理由に性感染症の予防が挙げられます。エイズの脅威や予防法については、過去多くのNGOがカンボジアにおいて広く知識の提供をしてきており、カンボジアの国立エイズ局でも、病院やメディア、学校などを通した様々な取り組みや治療が実施されています。

 

これらのNGOや国家プログラムにおいて、一般的に掲げられている予防手段は、第一に避妊器具、第二に 生涯一人のパートナーです。しかし避妊器具などは、逆に不特定多数と関係する事を奨励しかねず、不具合です。

 

そこで今回は、現地であまり詳しく触れられていない性の尊さを踏まえ、男女の違いを見直し、節度ある行動により幸せな未来を望めるよう、学生達の意識を喚起したいと思いました。

 

二次性徴については学校でも教えられますが、それだけで「大人」と呼べるのではなく、自分の行動に責任が持てる事が大人になるという事や、愛には責任が伴う事、また自分の体は自分だけのものでなないが故に、自分を大切に扱うべき事など丁寧に話しました。

 

 

男女間の心理的な差異など、初めて耳にする内容も多かったようです。講演は学生達の関心を大いに引き、生活を見つめ直す良いきかっけになったと思います。

 

講演の様子は、全国放送のテレビ局により放映されました。

 

 

6月

BBEはメコン川のコ・チュレィン島で医療奉仕を行いました。この島には医療施設も医者もいない為、プノンペンから4名の医療助手を呼び、ビタミンや寄付して頂いた医薬品を現地の方々に配布しました。

 

 

2日半で124名を診察しました。主訴は腰痛、頭痛、腹痛、疲労が主でした。

筋肉痛・関節痛には、カンボジアの伝統ハーブのひとつ レモングラスを抽出したオイルでマッサージしました。

診察の合間には、この島に住む看護師さん (拡大写真: 向かって左端の男性) と、状況をシェアし理解を深めました。

 

 

7月

BBEは再びコ・チュレィン島を訪れ、3名の医療助手と共に今回は島の中央部で医療奉仕活動を行いました。

島にはトゥクトゥクなど走っていないので、たくさんの荷物は牛車で運びます。

 

 

患者さんの多くは高血圧でした。また栄養不足や長年の農業から体を痛めたり、清潔でない水によって食あたりになる方々がとても多い事が分かりました。

 

多くの方がすぐに薬に頼ろうとされますが、症状が軽い場合、薬に頼らなくても日常できる対処法をアドバイスする事を心がけました。

 

2日間で57名の患者さんを診察する事ができました

 

 

関節痛や頭痛、腹痛のほか、目の疾患、呼吸困難・げっぷ、湿疹、めまいなどの訴えも多かったです。

感染症関連には、ユーカリやタイムの有効成分を抽出したチンキも今後広く活用していけたらと思っています。

高血圧などの生活習慣病や関節痛の普段からの予防に、 こぶみかんの美味しい摂取法などももっと広く紹介していくつもりです。

 

 

9月から10月にかけカンボジアは全国的に大雨洪水の為、広い範囲で浸水被害がでました。クラチェの町も田舎もすっかり浸水し、活動は延期する事になりました。

 

 

12月

5月に行ったエイズ・モラル教育が州教育局に好評で、BBEは12月、コ・スミァ 高校に通うスカウト及び赤十字ボランティア生徒190人を対象に、同講義を行う機会を得ました。

 

母子感染は個人でコントロールできませんが、汚染注射針の共用や性感染は自分で避ける選択をする事ができます。エイズの知識、統計を共有した後、責任ある行動とは何かなど生徒と一緒に倫理道徳の確認を行いました。

 

 

責任とは何ですか? また家族や社会に対する責任も考えます。

 

 

また素晴らしい将来を築こうという意識を育ててもらう為、将来の夢を聞いたりなど、生徒と交流しながら進めました。

 

 

急激な国際化の波に押され、家庭で培われてきたモラル観念が若い世代の間で崩れつつあります。一方、国の豊かな発展を実現するには、国に属する共同体や家庭が健やかである必要があります。

 

個人、社会が健全である為に知識を提供する講師として、今回BBEは有志の学生3名を選出し、その人材育成を支援する事にしました。

 

衛生や人格教育などのプログラムは大概英語なので、まずは英語クラスの受講を支援します。