2021年1月

1月、今年最初のボランティアチームとのミーティングを持ちました。コロナで昨年晩秋から会えなかった皆としばらくぶりに会えました。

彼らのスケジュールに合わせてですが、実際に地方での活動にスタッフとして参加してくれるほか、教育プログラムの中で子供達が書いた作文や、学校に寄贈する絵本の翻訳なども手伝ってくれています。

 

2021年4月

カンボジアでは2月下旬の市内感染を機に3月からコロナ感染が拡大し、4月からはとうとう複数の都市でロックダウンに入りました。お店も多くが長らく閉鎖し、場所によっては移動や日用品を購入するのも困難です。他のあらゆる国同様、企業や商人には痛手ですが、特に日払い労働者は蓄えが乏しく生活が困窮しているようです。生活困難者への食糧などの供給は、各地区当局で準備手配されます。

BBEは、事務所と同区のレッドゾーンに住むそのような家庭を対象に、特に小さな子供のいる母親をサポートする為、粉ミルク配布を行いました。ロックダウン中は移動の規制も厳しくなっていますが、町長の許可、監督のもと、密を避けながら遂行できました。

 

2021年5月

ロックダウンは多くの町で延長される事が発表されました。村から村の移動も制限されています。

そんな中、ワクチン接種は徐々に広まっているようです。コロナ感染の治療や制御に関わる医療及び軍従事者のワクチンを接種はすでに大都市では完了しているようです。公務員は各自の職場で受け、市民は居住地域に応じ、学校や企業施設で受ける事ができます。

状況が一日も早く良くなる事を願ってやみません。

 

2021年7月 (1)

歯科医とともにクラチェを訪れました。去年から手掛けている、小学児童を対象にしたフィッシャーシーラント(FST) を行う為です。雨季に入りメコン川の水も増えているようです。島ではとうもろこしが育つ時期です。

 

 

島の看護師さん達にも歯科の知識やFSTの技術を共有し(安全、遵法に行える技術)、一緒に活動できるようにしました。これにより島の小学生ほとんどの治療が完了しました。

 

 

しかし、これで子供達の歯がすべて健康になった(なる)わけではありません。歯の状態が非常に悪い子供達も多く、その根本的解決の方法を探し当てる必要があります。

 

2021年7月 (2)

今日も出発時は曇り空でしたが、メコン川を渡り島に着く頃には晴れ間が広がりました。

 

 

歯科治療の為集まっていた子供たちに絵を描いてもらいました。

絵を描くのが好きという子もいれば、苦手だから描きたくないという子もいました。しかしそもそもこんな辺鄙な場所ではクレヨンや色鉛筆などを持っている子はまれで、極力たくさんの子供達にそのような画材を持ったり絵や色で表現する体験をしてもらいました。

子供達の感じる幸せの形が垣間見えます。

 

2021年7月 (3)

日本の医療奉仕団と共にヨード不足改善の為のプロジェクトを続けています。カンボジアではヨード含有量の高い食物を摂る事は難しく、甲状腺疾患の方が比較的多いのです。今回もフォロー対象の地区で患者さんを診察しました。

診察に行く度、新しい甲状腺異常の患者さんが来られます。昆布だしを共有しながら、甲状腺機能の回復を図ります。

 

 

今年からフォロー地域が広がりました。今回はThmor Kreaも訪ねました。Thmor Kreaでは地区の保健所と協力して行いました。

 

2021年8月

これから子供の栄養・成長調査を始めるに当たりBunRany HunSen Saop Kroum 小学校に赴きました。

カンボジアのあらゆる僻地、農村地で同様ですが、この地域でも電気の供給に限りがあります。そこで私達は子供達のより快適な教育環境を整えるべく、ソーラーパネルを寄付しました。

 

2021年9月

ヨードは成長に欠かせない重要な栄養素の1つですが、海の無い諸外国同様、カンボジアも食物からのヨード摂取が低い傾向にあります。その状況を踏まえこの度、カンボジアの子供達の身体的・認知的成長と栄養、特にヨードとの関係を調査すべく 日本から研究チームが来られ、私達は約20日間に渡りその調査のお手伝いをしました。

 

クラチェ州の2つのコミューンで、合計300人の児童を対象に測定、調査を行う事ができました。ご協力下さった保護者の皆様、先生方に心より感謝申し上げます。調査結果が出れば、より科学的根拠に基づいてヨード摂取を奨励する事ができます。現状を否定するのではなく、未来につなげる価値ある調査だと思います。参加してくれた児童の家庭でも、協力して下さった先生も、またこの度の調査を承認して頂いた州当局や公務省でも、結果がでるのを心待ちにしておられます。

 

準備段階として、調査対象の子供達の保護者の皆さんに説明会を行いました。もちろんコロナの感染リスクを考慮し、環境の消毒やソーシャルディスタンス確保に注意を払いました。ヘルシンキ宣言を倫理的基盤として、調査内容や手順をじっくり説明しました。特に食事記録などは、低学年の児童にとっては親御さんの協力が不可欠です。数日を要する大変な作業でしたが、幸いたくさんの合意を頂く事ができました。

 

Koh Chrengにて

Saopにて

 

本調査では、児童の身長、体重、握力を測定し、また1週間の食事記録と尿サンプルを集め、コース立方体テストを行いました。食事記録については先生方が1つ1つ子供に聞き取りしながらチェックして下さり、またカンボジア語から英語に訳するお手伝いもして下さいました。立方体テストに関しては、子供達が緊張したり集中が途切れたりしないよう、配慮しました。

すべてのデータはこれから日本で分析されます。

 

Koh Chrengにて

Saopにて