1月

BBEはメコン川の島、コ・トゥルンに行ってきました。今回は一般の皆様から寄せて頂いた寄贈品、また他外国団体から委託された文房具を子供達に届けました。将来はもう一つの島コ・チュレィンの予定ですが、まずは、クラチェ市内の中心からボートが出ているコ・トゥルンへ。

 

 

島につくと荷物は牛車で運びます。

 

 

児童数約200人のChong Koh Trong小学校。荷物も到着します。

 

 

寄贈品を配布しました。また、履き古した靴しか持っていない子供達には、新しい靴を。

写真は午前のクラスの子供達です。午後のクラスの子供達には校長先生から配布して頂きます。

 

 

最後は文房具の使い方を説明します。例えば日本では普通に見る落書き帳も、都市から離れた場所では珍しいものなのです。折り紙や絵の具も、渡すだけでは子供達は有効に活用する事ができません。一緒に使い、一緒に遊んで、興味を引き出してあげる必要があるでしょう。

 

 

3月

BBEはまずRoka Kandal 小学校に寄贈品を届けました。

 

 

写真のような鉛筆削りはプノンペンの大型文房具店では並ぶようになりましたが、地方の子供たちはまだ小型の簡易な鉛筆削りが一般的です。これはなんだろう、と興味津々。

先生が使い方を教えながらやってみます。

 

 別のクラスでもまず削り方の実演から。

削ってみたい子いますか?

 

 

初めてなので、片方の手でうまく押さえられなかったり、途中から反対に回してしまう事がよく目立ちました。

うまく役立ててもらえると嬉しいです。

 

 

この学校には折り紙を教えられる先生がおられた為、折り紙も配布しました。

そのほか、職員室にはオフィス用品を寄贈しました。

 

 

 

またKrakor高校において、エイズと性モラルの講義をしました。

 

 

中高生はエイズの諸知識や第二次性徴についてはいくらか学んでいるようですが、性のネットワーなど初めて聞く内容もあったようです。男女の心理差や普段の服装など、思春期の具体的な変化を普段の生活にあてはめて省みてみたり、生徒に活発に参加してもらいながら進めました。

校長先生をはじめ、先生方も教室の外から参加!

 

 

講義の後はグループにわかれ、それぞれ学んだ事をまとめてもらい、発表の機会を持ちました。

 

 

4月

クメール正月で全国的な休暇です。

BBEはKoh chreang島に物資配達と体育の課外授業として伝統的なお正月の遊びを教えに行って来ました。日本も昔は凧揚げこま回しなど伝統的な遊びがありました。カンボジアにもお正月の独特の遊びがあるのですが、島の多くの子供達は遊び方を知りません。それらを紹介する事で、普段使わない感覚を使ったり、想像力を広げるよい機会になったと思います。

 

まずクラチェ市内で子供達に届ける食料や飲料水を調達。クラチェ市内は雨でした。

物資をイカダに積み込みます。クラチェ州青年連合の学生が一緒にプログラムに参加し、物資を運んだり遊びを教えたりするのを手伝ってくれました。

 

 

なんと、島側のイカダ乗り場は浸水していました!

牛車が水の中まで荷物を取りに来てくれます。

 

 

去年6月の終わりには一面のとうもろこし畑だった場所は、今刈り取りの後でした。後3ヶ月ほどでまたとうもろこしが大きく育つそうです。

 

 

寺院の敷地内にあるサラー・ワット小学校です。

村の人々、子供達は通常朝ごはんを食べていないので、まず朝ごはんから提供しました。

 

 

時間いっぱい、伝統遊びの中から3つ紹介する事ができました。

まずは目隠しをして、粉の入ったつぼを割るゲームです。目隠しをして3回回って方向感覚を狂わせ、つぼを探します。まずは先生が手本を見せます。地区長さんも自らお手本に立候補。遊び方が分かってくると、子供達も次第に興味が出てきました。

 

 

以前はつぼに粉だけ入れていたそうですが、時代と共にお菓子やお小遣いを入れたりするようです。

割れるとギャラリーの小さな子供達は中のアメに夢中!

 

 

2つ目は、2チームに分かれて各自自分の番号を決め、呼ばれた番号の子供が中央の枝を取って陣地まで戻るというもの。枝を先に取っても陣地に戻るまでに相手にタッチされると負けです。ですので枝の周りで両者にらみ合いになる事も。自分の番号に反応する瞬発力も必要です。

 

 

3つ目は日本でも馴染みのあるイス取りゲームです。ルールは日本と同じで、音楽が止まると同時に素早くイスに座ります。

 

 

低学年の子供達は恥かしがり屋で、中高学年の児童のほうが積極的に参加していました。こういった、これまで知らなかった遊びを知る事で、子供達の普段の生活にも幅が出てくると嬉しいです。

 

 

6月

BBEは日本からの衣類の寄贈品をKoh Chreang島に届けた後、Prey Veng州の小学校をリサーチしました。

 

ここはPrey Khla小学校。

 

雨季に入り雨がよく降る時期になりました。子供達は雨の中を遊びまわっています。

 

 

ここは州の中心街からは離れていますが、珍しく水の設備が整っていました。手を洗う水道と飲料水の供給器です。

 

この辺りもまだまだ井戸水をくみ上げて利用している世帯が一般的ですが、井戸を掘ってもその水質まではなかなかチェックされません。カンボジアの水質マップを見る限り、井戸水の安全性は高くありません。貧しい農村では生きる事が最優先なので、水が出ればそれで良いという人々も多いと思われますが。

*マップは水質調査・分析機関であるRDI作成

(1枚目: 水質の毒性、2枚目: 砒素)

 

この小学校はNGOから飲料水供給器の寄贈を受けたとの事。何か寄贈をしても、管理されずにさび付く、故障する、というケースは多々ありますが、Prey Khla小学校では適切に利用されているようでした。しかし屋外の設置で雨風に打たれるままとなっている為、囲いを作る資金を探しているとの事でした。

 

また、図書教育が進んでいました。

ドアには図書室の利用時間表。この小学校では、学年ごとに利用時間を区切っているようです。強制的ではなく、自分の学年に割り当てられた曜日・時間に本を読みたい児童が、図書室に来て読書するというかたちです。 

 

 

読書をしたら、男子は黄色、女子はピンクのストローを自分の学年のコップに入れます。

これによって、毎月各学年で児童が何人(のべ)読書をしているか把握できます。

 

 

そこで、供給器保護と図書プログラムの充実の為、BBEより小学校に寄付をしました。

 

 

8月

BBEはクラチェ州のスカウトと赤十字の集会をサポートしました。

 

これまでスカウトや赤十字には、保健衛生やモラルなどのトレーニングで関わってきました。彼らは地域に貢献するプログラムを持ち、活動の中で指導する立場にも立ち得る事もあるでしょう。その際、正しい知識や豊富な経験を持っていればいるほど、彼らの社会への参加は希望的だと考えるからです。

 

彼らの活動は、国のプログラムにただ沿うだけの事も大半なのですが、学生独自の想いや考え方を一度まとめる為に集会を開きました。

 

 

集まったのはKraches Krong 高校とKosmeak高校の、スカウトと赤十字にそれぞれ属する生徒達です。

 

 

赤十字は活発に活動をしていました。参加したイベントや友人にBBEが提供したエイズ教育の内容を共有できたとの嬉しい報告がありました。

 

 

スカウトでは、組織体制が整っていない事が明らかになった為、自分達の中からリーダーを選出し自分達でグループを作り上げていく事を提案しました。

 

希望者は立候補して思いの丈を述べ、他のメンバーは候補者に投票する、という形を初めて取り入れました。

 

候補者の抱負の中には、外面の行動だけでなく、奉仕する心を持って取り組むなど内面に焦点を当てたスピーチも目立ち、感心しました。去年はよくBBEが講義を行ってきた内容でもあります。

 

 

心機一転した希望的な若者達。これからも見守りたいです。

 

 

9月

これまで物資や医療的なサポートをした事のあるKoh Chreang島から、今回子供の教育に関する支援を依頼され、島の小学校へ赴きました。

雨季の真っ只中、ボート乗り場も田畑も水に浸かっていました。

 

 

寺院と一緒に建っている、Wat小学校です。

3つのクラスに道徳や物事の考え方の話をして回ります。最初のクラスでは地区長さん及び校長・教頭先生も参加されました。9月はカンボジアではちょうどお盆の時期で、伝統の意義などにも触れました。

 

 

社会問題など大それた事を考える前に、まずなぜ勉強しないといけないのか分からないという子供が多い事に気付きました。しかし一方で、ただ将来性がある職業だからというだけで、医師や教師を勧める親御さんが非常に多いのです。

 

子供達は学ぶ価値を知らず、またケーキ屋さんやパイロットになりたいなど、想像力(を養う機会)も不十分です。教育システム向上の必要性を改めて感じました。

 

担任の先生がなせ教師になったかというエピソードも紹介してもらいながら、一緒に考える時間を持ちました。

 

 

11月

僻地での医療奉仕の為 日本から医療チームが来て下さったのですが、これに合わせ、カンボジアの医大生やインターンを集め、日本の医療技術(今回は心音・呼吸音について)の講義実習の時間を持ちました。

 

 

活動時には、インターンや免許取得済みの学生には診察に加わってもらいました。実習の内容をすぐに実践に移し診療にあたる彼らの姿がとても希望的でした。

 

 

患者さんには診療と共に保健衛生のすすめや生活習慣病予防についてのガイダンスを受けてもらいます。その説明も学生が責任を持って担当してくれました。

 

 

診察の脇では、集まった子供達に手洗い指導をしました。

指一本一本の洗い方から拭き方まで教えます。

 

 

学生達はあらゆる分野で、とても喜んで医療チームを助けてくれました。

今回いらしたチームの方から、医療者としての最高の喜びは、無償で人を助けられる事だと伺いました。学生達は技術や体験と共に、このような感動も感じてもらえたら嬉しいです。