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1月

Kratie州の里子を訪問しました。乾季でメコン川の水は引き、島の周りには砂地が広がって、船着場からは長い竹網みの道が続いています。

今回の活動は年賀状作りです。里子達には、季節ごとに挨拶を送り合う異国の文化を紹介していましたから、これが そういう事なんだなぁと実感してくれた事でしょう。

 

年賀状に書いてもらうテーマは2つ:去年一番印象に残った体験と、今年の目標です。体験については、1~2行にまとめるのではなく、具体的に説明してもらうよう伝えました。目標については、その月や学期、1年の目標を立てる、という事を考えた事も無い子がほとんどだと思います。何を達成したいだろう、と自分で考え目標にする事で、毎日を過ごす意識も変わるのではないでしょうか。

 

作文が終わったら、季節の絵…卯年のうさぎや雪景色、クリスマスの様子、縁起物などの絵でカードを装飾してもらいました。皆どんどん絵を描く事に慣れてきているようです。楽しいカードがたくさんできました。

 

4月

カンボジア正月を前に里子訪問をしました。
この季節、今年はトウモロコシではなくタバコが植えられているようです…。

今回の活動内容は2つ。①1月に書いた文章にもう少し詳しい説明を加えて作文を完成させる事、そして②毎回写真撮影の際に使う名前パネルを装飾する事。お正月のお土産にパンも準備しました。

 

1月の年賀状では、子供達は去年の出来事について詳しく書いてくれたはずでしたが、各自自分の書いた出来事についてブレインストームをして、他にどんな事が読み手に説明できるか考えてみる練習をしました。

 

 

名前パネル作りでは絵の具を使ってみました。子供達にとっては初めて使う画材です。筆や短穂、また草花のハンコなどで装飾しました。筆で描くのと短穂で着色するのでは色の表現が変わる事、また絵の具が混ざって別の色ができる事などを体験しました。

8月

農村で幼児の健診を行いました。定期健診というものがまだ普及していない中、これまで特定の地域で小学生の発育測定を導入してきましたが、今回は更に年齢の小さい1歳半~4歳の子供達の発育状況をみました。

身長や体重、1歳半ならば頭囲、3歳なら胸囲なども測定し、虫歯の有無を調べます。しかしより焦点を当てたのは認知能力や粗大運動・微細運動ができるかの確認です。

 

1歳半では身の回りのものの名前を覚え始め、言葉を発し始めます。スプーンやコップを自分で使おうとするのもこれくらいの年齢です。3歳なら手先の巧緻性もより発達し何かしら形のある絵を描いたり、またみたて遊びをするようになります。4歳は短期記憶も発達します。

 

もちろん普段何も無い環境ですから、結果から見て、できない事が多いようです。しかし今回の目的は子供達をテストするのではありません。保護者の方が、何歳でこういう能力が身につく事が期待されているのだ、という事を知って下さり、子供達との関わり方をもっと工夫する事で子供達の認知・身体能力を高めてあげる事ができる、という事に気づいて下されば、幸いです。

9月 (1)

小学生の子供達にカルタを紹介しました。子供達はカンボジア語で実際にカルタを作り、そのカードを使ってグループに分かれて遊びました。

 

カンボジア語には33の子音がありますから、その子音が日本語のあいうえおの代わりです。子供達は割り当てられた子音から始まる文章を考え、その絵を描きます。できあがったら小グループを幾つか作って、自分が作ったのではないカードで遊べるように調整しました。

 

 

文章を考える際は創造性や語彙力を鍛え、絵を描く際は表現力を培う練習になります。農村ではそもそもクレヨンを持ったりテーマに沿った絵を描くという機会が少ないのです。また同じ文字のカードが混ざっていますので、集中してよく聞かないとお手付きをしてしまいます。そういった様々な要素の詰まった遊びです。

 

読み手は先生です。各グループで結構白熱しました!

 

9月 (2)

島の里子を訪問しました。Kratie州ではまだメコン川の増水が穏やかで、浸水被害が出る前にとうもろこしの収穫が終わり島の人も安心していました。

 

今回は里子達と栞を一緒に作りました。①楽しい絵柄の入ったデザインペーパーで、シンプルに折るタイプのもの、②折り方がやや難しいハート型の栞、③海をイメージした切り紙にラメを加えた創作栞…の3種類です。

 

折り紙はスタッフがどうにか一緒に教えながら折るとして、切り紙は栞の台紙が小さいので、切り貼りも細かい作業になり、心配していました。しかし下書きなどしてたくさんの里子が上手に作っていました。

 

 

デザインペーパーに始まり、可愛いリボン、キラキラのラメ。今回はそういった目新しいもので感性を膨らませてもらいたかったのです。

 

手作りの栞で、教科書を開くのが楽しくなれば嬉しいです。

9月 (3)

かねてから、里子をアンコール遺跡群に連れて行ってあげたいと考えていました。それは国内最大の文化遺産であり国民の誇りですが、大人になっても行く事ができない人が大勢います。特にここは島ですから、同じ州の市街地へ行くのさえ容易ではありません。

 

篤いサポートのおかげで只今49人の里子を支援できていますが、予算等の関係上今回は高学年から9人だけ連れて行く事ができました。シェムリアップ州ではアンコールワット、アンコールトム、タプローム寺院をガイドさんと一緒に回り、その後貧国打開を目的として創設・運営されている社会企業へも訪問し、手工芸品が作られる様子を見学しました。

 

 

自国の深い歴史や様々な考え方に触れ、彼らの視野は大きく広がった事と思います。1人でもたくさんの子がこの貴重な体験を得られるよう、続けていきたいと思います。

11月

日本の医療団と医療奉仕の活動をしました。BBEとしては、医療団をサポートするボランティア人材を現地で募集する、という点で協力しています。今回は医療従事者、医学生、一般の学生、社会人と幅広いジャンルから7人が参加してくれました。

 

まず活動前にミーティングをして情報共有を万全にします。

 

農村僻地での活動は2日間。内科や鍼の医師について通訳をしたり施術の準備を手伝ったりしてもらった他、薬剤師の子には薬局を任せ、研修医の子にはたくさんの患者さんを診療してもらいました。

 

医学生にとっては医療技術や知識、体験を提供できる機会となります。それ以外にももっと大きな視点では、この1つのプロジェクトの中で、現場を見ながら患者さんをスムーズに案内する為の人材配置や時間管理をするなど、様々な体験を共有する事ができました。何より、皆で協力し合う事を直に学び合えた期間になったと思います。

12月

今年最後の、Kratieの里子達の訪問です。乾季に入り、島には砂地が広がり始めました。そしてまた新しいとうもろこしが育ち始めました。

 

年の終わりという事で、今年1年を振り返る時間を持ちました。年の初めに立てた目標は達成できたでしょうか。そして来年はどのように成長したいか、考えてもらいます。

 

次にクリスマスカード作りをしました。クリスマス文化の紹介に続き、カードを作り始めます。定規で長さを測り、紙を折ったり、切ったり、貼ったり、今回もたくさんの作業を行います。特に、折った紙を染めるのは子供達にとって新しい作業でした。原色と二次色の概念を学びながら、絵の具で描くのとは違う感覚を味わいながら色がどのように染まるのかを体験します。

 

家でも学校でも普段このような事をしないので、1つ1つに時間がかかります。しかし、体験すれば体験するほど、子供達にとってできる事が着実に増えていくのが分かるので、色んなプログラムをこれからも組んでいきたいと思うのです。